ダイヤモンドペンが紡ぎ出す奥深い世界
必要なのはダイヤモンドの粉をまぶした針ペンと黒い布を敷くスペースだけ。その針でガラスに模様を彫る手軽さが魅力のひとつだが、それとは裏腹にあらゆる表現が可能な奥の深い世界でもある。自然が好きという先生が、数十枚にわたるスケッチを重ね、10種類程度の針を使いわけて描き出した花々は、まるでそこに生きているかのような輝きを放つ。それほどに深い表現ができるガラスの可能性に目を見張る。
「ほとんどのものが2、3種類の針で美しい作品が作れます。場所もとらず自分のペースでできますので、まずは彫ってみてください」。そしてきれいに作品を仕上げるコツは、ガラスにふれるかふれないかの弱いタッチで彫ることだという。
ギギッという音がしたら、それは力の入れすぎ。表面をさわっても、ほとんどへこみのないのが理想だ。そして、何回も彫りを重ねる針数の差が作品の出来栄えを左右する。「すみずみまで行き届くのが手彫りのよさ。これで完成と思ってから、さらに手を加えるくらいていねいに彫ってください」最近では男性の受講生も見受けられるようになった。お世話になった方へのお礼にと、無地の焼酎ボトルに模様を入れて贈ったところ、とても喜ばれたという話もある。「手彫りで手軽」と出ていた新聞記事がきっかけで先生が足を踏み入れたグラスリッツェンの世界。クリアなガラスだからこそ可能な表現の楽しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと願っている。
▼伊藤先生の作品「ヤマユリ」

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